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その子二十 櫛に流るる黒髪の
おごりの春の美しきかな
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たまくらに鬢のひとすぢきれし音を
小琴と聞きし春の夜の夢
70
思ふ人ある身はかなし雲わきて
尽くる色なき大ぞらのもと
134
秋風の 吹く暮れ方に ちぎれ飛ぶ
雲とならまし 君をわすれて
154
南国の木の実を吸へば涙おつ
昨日の恋の味に似たれば
188
かにかくに皐月 は悲しもの思ふ
家の小暗さ外の明るさ
233
ことごとく桜咲く日も散り初むる
日も待つ人と知られずもがな
234
霧来り霧の去る間にくらべては
久しかりきな君と見し世も
238
わが友の墨の蘭花の絵を見つつ
さびしき冬に入らんとすなり
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